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和歌山県西牟婁郡S邸

建築家:細田みぎわ

ご両親から譲り受けた土地の素晴らしい眺望を最大限に活かすために、建築家との家づくりを選択されたSさんは2003年2月ザ・ハウスに来店。

Sさんはデザイン志向の似ていると確信した建築家・細田みぎわさんへ依頼することを決め、細田さんもその敷地に十分な魅力を感じて打ち合わせは始まります。そして家づくりに2年5ヶ月という長い時間を共有することになります。期間を掛けてゆっくりと話し合いを重ね、決定事項を一つ一つ丁寧に見出していきました。

2005年6月に完成を迎えたそのお住まいに、細田さんの「建築哲学」を感じるとおっしゃるSさんにお話を伺いました。
家を建てようと思った経緯は?

両親が購入した土地を譲り受ける事になり、その土地を見に行ったのですが、周囲の環境もよく(総合公園の隣)、そこからの眺望もとても素晴らしかったため、思い切って家を建てようと考えました。


当初から建築家に依頼しようとお考えだったのですか?

はじめは、全く知識もありませんでした。

そこで情報を収集する為に、住宅の雑誌(新しい住まいの設計、ニューハウス、モダンリビング等)を見るようになりました。
和歌山県西牟婁郡S邸/細田みぎわ設計
その中に、同じように眺望の素晴らしい土地に、建築家の設計でとても素晴らしい住宅を建て快適に暮らしている姿を見つけ、「我々の土地の眺望を最大限に活かすためには、やはり建築家だ」と、我々もそれに憧れるようになりました。

しかし、掲載されている住宅はどれも、首都圏や関西圏(ウチも一応関西圏ですが・・・陸の孤島と呼ばれています)ばかりで、建築家を探す手段が無かったのです。
そんなときにザ・ハウスの広告が目に付き、思い切って訪ねてみようという事になりました。


建築家・細田みぎわさんにはどんなご希望をお伝えされたのですか?

・南側から西、北にかけて、山、新庄総合公園、白浜、紀伊水道(海)などの眺望を、最大限活かす事。そのために生活空間を2階にまとめる事。
歌山県西牟婁郡S邸/細田みぎわ設計 ・紀南地方は台風の通り道であり、また、高台という事もあり、時期によって風が非常に強い場所であるので、その風対策をする事。

・趣味の音楽を思う存分楽しむためのスペース

当初はこれぐらいだったと思いますが、打ち合わせを進めるうちに、新たな希望が出てきたり、細田さんとの話の中で、どちらともなしに出てきたアイデアもありました。
実際に生活していかがでしょうか?

出来上がったのが夏で、ちょうど白浜の花火大会があり、家から満喫できました。眺望については申し分ないです。
また、細田さんの建築哲学をいろいろ聞いていたので、家の至る処に「なるほど」という発見があって楽しいです。

ただ、夏は風通しがよくとても快適でしたが、冬はとても寒い事が発覚!!暖房器具をフルに使用しています。(電気代が心配・・・)
歌山県西牟婁郡S邸/細田みぎわ設計 歌山県西牟婁郡S邸/細田みぎわ設計

ザ・ハウスを利用しての感想は?

無料で、建築家を紹介していただけるという点は、地方在住の我々にとって、とても有難いことでした。
歌山県西牟婁郡S邸/細田みぎわ設計 これから建築家と家を建てる方に一言

家のイメージを伝えるのは難しいことなので、拙い自分のイメージを上手く汲み取ってくれる人を選ぶ事でしょうか。

建築家の方と話を進める上で、ハウスメーカー等と違うのは、実際工務店の見積りが出てくるまで、いくらになるのか分からないという事でした。
我々の場合は、工務店から提示された総額は、初めはびっくりするほどでした。上手くコストダウンできたり諦めたりしながら、最終的な金額になりました。

また、建築家の方は作品としてのこだわりがあります。そのため、工期が延びる可能性がある事も事前に知っておいた方がいいと思います。
細田みぎわ 建築家・細田みぎわ
さんのインタビュー
はじめにSさんとお話しして、どんなことをお感じになりましたか?

Sさんは穏やかな方だという印象でした。

また土地については、魅力のある敷地だと思いました。和歌山県南紀白浜近くの丘の上で、大阪からは少し距離がありましたが、ぜひやってみたいと思いました。
具体的にはどのような形でご要望に応えていったのですか?

1.台風の通り道であるこの敷地に、重量鉄骨造の住宅。

2.眺望を活かした生活空間(LDK+水廻り)をワンフロアに。

3.設計段階で出てきた要望としての<白い空間>は、LDK・水廻り空間の目前に広がる公園の緑が映える空間です。テラスには網戸を設置し、さわやかな浜風の吹く開放的な空間になったと思います。
歌山県西牟婁郡S邸/細田みぎわ設計
歌山県西牟婁郡S邸/細田みぎわ設計 4.ご希望の<木の空間>は、厚み90mmの杉の集成材パネルを使用した、落ち着いたプライベートスペース。

杉の集成材パネルの組立工事には4ヶ月費やしました。

ペラペラの板の仕上げ材料ではなく木の塊にしたい。でないと、この環境に負けてしまう、という建築家のコンセプトから始まり、鹿児島の山佐木材株式会社の協力により、様々な苦難を乗り越え実現しました。
5.温暖な地域のため、夏の過ごし方がテーマの1つとなりました。

室内では間仕切り壁である、杉の集成材パネルをずらして設置することにより、<抜け>ができ、風の通り道を確保しました。これは同時に、光・気配を感じるための隙間でもあります。昨年の夏は、ほとんどエアコンを使用しなかったと聞いています。
Sさんとのお打合せはいかがでしたか?

ご主人は、建築が好きな方で、デザイン志向が似ていた様で、お好きなモノのテイストが私のつくる建築と合っていたようです。最初に私の過去の作品ファイルを見て、そのあたりをきちんと認識されていたと思います。
デザインの決定については、比較的スムーズに進んでいきました。

打ち合わせ場所は、設計段階ではSさん宅と事務所と半々。工事段階では、現場でモノを見ながらの打ち合わせ。
今回は特に、杉の集成材パネル工事を分離発注として、こちらの事務所の工務チーム(MHAS.ism)で請負ったため、スタッフが常駐していた期間には、様々な打ち合わせがタイミングよくできたと思います。

設計期間・施工期間は長く掛かりましたが、その間に色々な話し合いができました。いわば、スローアーキテクチュア。お互い納得した上で、様々なモノの決定ができたと思います。

ザ・ハウスでお会いしてから2年5ヶ月間、長期にわたり家づくりのプロセスを味わっていただくことになってしまい、イライラされたこともあったかと思いますが、基本的には楽しむ姿勢で臨んでいただいたSさんには、本当に感謝しています。
歌山県西牟婁郡S邸/細田みぎわ設計
これから建築家と家を建てる方に一言

いい住宅は簡単にはできません。だから信頼できる建築家を選んでほしい。
家づくりは、建主が被害妄想を持っていると感じた瞬間から、設計及び工事に関わる全ての人間のモチベーションが下がってしまいます。
歌山県西牟婁郡S邸/細田みぎわ設計

写真撮影:市川かおり

建築家の仕事は、建主とのコミュニケーション・敷地の読み取りにより条件を整理し、その際の弱点については工夫することでそのアイディアをデザインに変換し、<空間のコンセプト>を実現することです。
その<空間のコンセプト>は、建築家が建主に一方的に押し付けるものではありません。

こちらの提案した考え方をベースとして、建主・工事関係者と共に実現化に向けて考える。その作業が家づくりです。建築家だけではできません。
ゆっくりと大らかに構えて、ご自分たちに合った空間をつくり上げて下さい。

所在地:和歌山県西牟婁郡
設 計:Migiwa Hosoda Archi-Studio
施 工:後工務店、MHAS.ism(杉集成材パネル工事)
竣 工:2005年6月
敷地面積:197.36平米(59.70坪)
延床面積:158.26平米(47.87坪)