音楽と映画が身近にある家

2015.09.25掲載

Y様(千葉県千葉市)

新築

家に対する夢や希望を膨らませていたYさんは、建築家と一緒にその夢を実現するために2001年10月ザ・ハウスに来店されました。
強度不十分な擁壁があるという土地のデメリットをきちんと認識されつつも、高台で見晴らしの良いその土地の可能性を見出して購入したYさん。建築家・玄・ベルトー・進来さんは擁壁の扱いで試行錯誤しながら、Yさんと一緒に理想の家へと取り組んでいきます。

そして元々ある強度不十分な擁壁を解体し、鉄筋コンクリート造の建物を擁壁代わりにすることで、合理的かつ丈夫で安心できる家が生まれました。高台の良さを生かした光溢れる3階のリビングから、東京大学のグラウンドを一望できるそのお住まいは2005年1月に完成。
「リビング階に設置したホームシアターは、家族全員がよく利用しています。」とおっしゃるYさんにお話を伺います。

家を建てようと思った経緯は?

マンション生活15年。出かける時の戸締りのしやすさ、高断熱、見晴らしの良さなど良い点はたくさんありましたが、

・子供3人(高3、中3、小3)の成長によって手狭になった
・家族全員が楽器演奏、音楽・映画鑑賞に親しんでいるが、階下の方が音に敏感であった
・庭が欲しくなった
・子供と一緒に入るうちに広いお風呂が欲しくなった

などが理由となり決心しました。

当初から建築家に依頼しようとお考えだったのですか?

はい。キッチン、お風呂に対する希望、楽器演奏や音楽・映画鑑賞ができるスペースなど、建物に対する夢や希望が多かったので、建築家に相談して進めようと思っていました。

建築家・玄・ベルトー・進来さんにはどんなご希望をお伝えされたのですか?

建築予定地が、
・12m道路に面する高台
・擁壁が古い大谷石で築かれている
・千葉市は大谷石の擁壁は強度不十分と判断している

といった特殊な環境にありましたので、土地のメリットデメリットを活かし、光が溢れ、自然の風を感じられるような家造りをお願いしました。

実際に生活していかがでしょうか?

光と風に溢れた中で楽しく生活しています。
初めての夏を迎えリビング階の気温上昇が心配でしたが、風の通り道を確保すればエアコンをかけっ放しにする必要もなく快適です。

地下1階から2階がRC構造であるのと、階段がトンネル効果となり、リビングにいると家の中の音がよく聞こえてきます。ピアノの音など楽しい反面、家の中の遮音対策については今後の課題かと思っています。

専用室にせずリビング階に設置したホームシアターは、リビング階が光に溢れていますので夜間のみの使用ですが、狙い通り家族全員がよく利用しています。

ザ・ハウスを利用しての感想は?

つかず離れずというか良い距離感を持って接していただいたので、気軽に相談することができましたし、適切なアドバイスをいただいたと思います。

これから建築家と家を建てる方に一言

初期段階では、とにかく要望があれば、イメージだけでも伝えることが重要です。
その後、設計図に落とし込む段階では、具体的に(○○より上に取り付けたいとか、○○cm以上は離したいとか)伝え、建築家との間にギャップが生じないようにすることが大切です。
遠慮しないでどんどん相談するのが良いと思います。

はじめにYさんとお話しして、どんなことをお感じになりましたか?

知的で爽やかなご夫婦だと思いました。

また東京大学のグラウンドを一望できる敷地を購入するまでに、様々な物件を見てきたことを最初のザ・ハウスでの面会で伺い、家作りにおいて念入りに検討を行う方だと思いました。

さらに強度的に問題のある擁壁、という未知数を抱える難しい敷地だと認識されながらも、そのポテンシャリティーに魅了されてご購入を決断されたところに、きちっとしたビジョンを持っている方だと思いました。

具体的にはどのような形でご要望に応えていったのですか?

ザ・ハウスの紹介で同時期に設計を進めていた八王子のAさんの家では、案を1つしかプレゼンテーションしなかったのに対し、Yさんには3つの案にそれぞれ可能性があると判断し、プレゼンテーション致しました。

その時点で選んでいただいたのは木造タイプの、擁壁からできるだけ距離をおきつつ擁壁を残すことを前提とした案でした。

役所との事前協議で擁壁を残す許可をとり、実施設計にはいりました。
但し心配でしたので、様々な角度から擁壁の強度の実体や補強方法を平行して検討しました結果、問題を残す設計だとの結論に達し、Yさんに選んでいただいた案ではなく、基本設計の3つの案のうち、もう一つの案に戻れないかと問い合わせを致しました。

御了解をいただき、問題の擁壁をすべて解体する案が完成しました。

Yさんとのお打合せはいかがでしたか?

プレゼンテーションの案に戻るということは、ある意味で最初の段階まで後戻りすると言う意味をもち、時間を無駄にしたという見方もできます。
また途中まで進めていました案は最も工事費のかからない案だったのに対し、半分以上を鉄筋コンクリート造にし、擁壁代わりの家を建てる案は最もコストのかかる案です。
時間を無駄にしたとか、予算的な問題でお叱りを受けるのではないかと正直、案の変更を提案した時に心配でした。

けれどもコストはかかっても安心できる建築が建つことを充分に理解していただき、また私達に時間を無駄にかけさせたのではないかと逆におっしゃって下さり、ホッとして変更案の実施設計に着手できました。


その後もこちらが色々と提案し、選んでいただかなければいけないときに、Yさんは時間内に結論を出して下さいました。設計者側としては大変有り難いと思っています。

これから建築家と家を建てる方に一言

デザイナーズマンション、幼稚園、商業空間も設計していますが、住宅設計の一番の魅力は、設計をした建物をどなたに使っていただけるかがわかっていることです。

本体価格

総工事費(税別)から、それぞれの敷地や建主の事情によって変動する解体工事、仮設工事、杭・地盤改良工事、引込工事、外構工事、冷暖房・空調工事、 その他建物本体に固定されていないものの工事を除いた金額。実際にかかる費用よりも坪当たり10~30万円ほど安く見積もられます。

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