施主からの手紙

設計時に提案した「使える外部空間」 その良さが伝わったとき

2020.06.17

庭、テラス、縁側、土間・・・ 「使える」ということを大切にした外部空間

私達が設計させてもらった住宅の建主から嬉しいメールが届いた。
周囲の家から覗かれない「半戸外空間」にハンモックをかけて外を感じたり、大きな屋根の下にあるダイニングと一体的に使える「アウターリビング」で食事を楽しんだり、設計時に私達が提案した「使える外部空間」の良さを改めて実感したというものだった。

庭、テラス、縁側、土間など様々な外部空間があるが、私達にとって「使える」ということがポイントで、今まで設計した様々な「使える外部空間」を思い返してみた。
そもそも「外部空間」の良さは風が抜け開放的で、濡れても汚れても気にならないこと。
私達が「使える外部空間」を設計する際、その良さは残しつつ屋根や軒が強い日差しから外部空間を守り、「日陰」を生み出すことを意識している。
住宅密集地では周りの家から覗かれず「プライバシー」が守られていることも使えるかのポイントになる。
内部のダイニングなどと一体的に使うことができ、食事をするテーブルと椅子を置けるくらいの広さがあると良い。

「使える」ということは、そこで長い時間を過ごすことができる外部と内部の中間ぐらいの「半戸外」の環境になっていることが重要だと思う。

【大屋根が繋ぐSOHO】の「アウターリビング」

そこで設計事例【大屋根が繋ぐSOHO】の「アウターリビング」を紹介。

ちょうどウェブサイト「日刊住まい」のなかで、~半戸外のテラスが第二のリビングに~として紹介されていますので、宜しければご覧ください。
https://sumaiweb.jp/articles/187294

左側の住居と右側の仕事場を繋ぐ大屋根の下がアウターリビング。

玄関はアウターリビングにも繋がっているため、下足のまま外に出れる。右側が玄関扉。

道路から半階上がった高さにあるため、道路からの視線が気にならず開放的

天井と軒天は同じ素材で連続させ、室内がアウターリビングまで広がったかのような開放感

「新型コロナ」の影響を受けたからこそ見えたもの

「新型コロナ」の影響で外室自粛が数ヶ月にわたり小学校の休校も相まって、私自身も長い時間を子どもと一緒に食事や運動をする暮らしが始まった。
今まで使わなかったダイニングセットを出し、雨でなければ毎日のランチはバルコニーで家族と食べている。
外に見える景色、近づいてくる鳥、今まで見えていなかったものに気が付き家族との会話も弾む。
これからの私達には既にある様々な良さを発見できる時間と心の余裕が必要で、そんな暮らしを楽しめる「住まい」を設計し提案していきたいと思う。