シンプルで寛げる家
F様(東京都新宿区)
マンションやコーポラティブハウスの検討もしましたがご要望に合わず、一戸建てを建築家に依頼して建てたいと考え始めたHさんは、2004年10月にザ・ハウスに来店しました。
建築家・小林真人さんはブレーンストーミングから案づくりを始め、ポイントを丁寧に確認しながら打合せを進めました。家族が家で過ごす限られた時間を一体で過ごす事ができるように、空間の繋がり・家族の繋がりを追求した住まいは、2005年9月に完成しました。
「設計段階では実感がなかったが住んでみて初めて建築家の設計に大満足。」と仰るHさんにお話を伺いました。
家を建てようと思った経緯は?
賃貸マンションに住んでいましたが、キッチンなど設備が良くないこと、住環境も良くなかったことから、自宅購入を考えました。
当初は普通のマンション購入も考えたのですが、なかなか希望する間取りや設備がなく、変更するにしても費用がかなりかかることから、最初から自分たちの希望を取り入れた家を作る方がいいのではないかと考えました。
コーポラティブハウスも魅力的ではあったのですが、自分たちの希望する地域に物件がなかったのと、どうせ作るなら一戸建ての方が自由度がさらに高いと思い、土地探しを始めました。
当初から建築家に依頼しようとお考えだったのですか?
住みたい地域の土地を探し始めると、予算の範囲内で購入できるのは、狭小地か変形地であることも予想されたことから、ハウスメーカーの住宅ではうまく建たないだろうと思いました。
建て売り狭小住宅の内覧会に行ったこともありますが、住むには不便そうでした。
住宅雑誌やホームページなどで狭小地に建築家が設計した住宅が多数紹介されており、自分たちの希望を取り入れたすてきな家を建てることができるのではないかと思ったのが、建築家に依頼することを考えたきっかけです。
建築家・小林真人さんにはどんなご希望をお伝えされたのですか?
全体としてはシンプルでかっこいい家を、とお願いしました。
ホームページなどで小林先生の作風は分かっていましたので、最初の時点では設備の点と大まかな希望だけお伝えしました。
具体的には、大きなキッチンを中心としたリビングスペース、将来子供が複数になったときに仕切ることができる部屋、大きな本棚、パソコン用のスペースなどの希望を伝えました。
実際に生活していかがでしょうか?
大満足です。
設計段階では実感がわかなかったのですが、住んでみて、初めて、小林先生すごい、と思います。
狭小住宅のはずなのに広くくつろげる感じがしますし、特別に作って頂いたキッチンの使い勝手も良好です。具体的な希望は出さなかった窓や照明も絶妙な位置にあります。
大きな窓は開放感があり、外からもある程度見えてしまうのですが、それも気にはなりません。
満足できる家に仕上がっていると思います。
ザ・ハウスを利用しての感想は?
建築家に家作りを依頼しようと言うことは決めていたのですが、どのような建築家が自分たちに合っているのか、建築家にどうやってコンタクトを取ればいいのかが分かりませんでした。
以前建築事務所にメールを出してみたこともあったのですが、返事がなかったこともありました。 建築家との間でトラブルになったようなことも聞かれますし、不安もありました。
ザ・ハウスに相談に行ったときはまだ土地も決まっていなくて、建築もいつ始められるか分からない状況でした。それでも相談に乗って頂ける方、具体的な土地が見つかったときにその土地についてコメントを頂ける方を紹介して頂くことができました。
出版物やホームページなどで建築家の作風を知ることはできても、その人物像まで知ることはできませんが、ザ・ハウスの担当の方のお話で、お会いする前に人柄や仕事の進め方まで知ることができたのが良かったと思います。
これから建築家と家を建てる方に一言
家を建てるのは楽しいことだと思います。
実際に建築家と家を建ててみて思うのは、自分たちのまとまりのない要望を建築家にまとめあげてもらえますし、自分たちだけでは見落としてしまいそうな細かな点まで気を配って設計してもらえるのは、安心感につながると思います。
実際の建築に際しても、建築家がついているというのは安心だと思います。後悔しない家作りができると思います。
はじめにHさんとお話しして、どんなことをお感じになりましたか?
土地の取得前にお会いして、取得時の条件検討からおつきあいを始めましたがご夫婦ともにお人柄がよく、また最初から信頼を頂きましたので、期待に応えるべくできうる限りの事をしたいと感じました。
具体的にはどのような形でご要望に応えていったのですか?
信頼して任せて頂きましたので、最初にブレーンストーミングの様にご夫婦とお話をした後に、「Hさんご夫婦の家をこの土地に建てて生活するにはこういう考え方の家になるといいと思う。」という案を提示し、あとはポイント・ポイントでの確認打ち合わせをお願いするという形で進めました。
いわゆるディンクスの住まいで、家で過ごす限られた時間、家族(子供が生まれた後も)が一体かつ有効に過ごす事を狙って、各階を分離する生活ではなく視界的にも生活としても空間の繋がり・家族の繋がりを持てるような住宅としています。
書籍を多く持つ夫婦の希望により設けた2階から3階の天井まで届くアルミの本棚は、貫通して繋げることで上下の空間の繋がりを視覚的・心理的に認知する仕掛けとしました。
南面に大きく設けた開口部に接する3階の床をグレーチングと強化アクリルによる床により透過させる事で、2階からも3階からもその開口部をフルに共有し、床の位置とあえてずらした南側サッシの割り付けにより、吹き抜け感を強調させる手段と考えています。
Hさんとのお打合せはいかがでしたか?
ご自分達のいいと思うもの・価値観などが明確なので、こちらも考え易く、またHさんご夫婦の判断も早く、大変スムースに楽しく計画が進められたと思います。
これから建築家と家を建てる方に一言
建築家は家作りのパートナーです。
要望は矛盾していてもいいんです。思ったことは全てざっくばらんに建築家にぶつけて下さい。
そうしたコミュニケーションをお互いにしながら、目的や価値観を共有することがとても大切だと思います。
データ
- 建設地
- 東京都新宿区
- 竣工日
- 2005年9月
- 設計
- 小林 真人
- 施工会社
- (株)花実建設
- 構造
- 鉄骨造
- 敷地面積
- 60.33平米(18.2坪)
- 生活スタイル
- 単世帯住宅
- 撮影
- 平井広行
- 種類
- 新築
本体価格
総工事費(税別)から、それぞれの敷地や建主の事情によって変動する解体工事、仮設工事、杭・地盤改良工事、引込工事、外構工事、冷暖房・空調工事、 その他建物本体に固定されていないものの工事を除いた金額。実際にかかる費用よりも坪当たり10~30万円ほど安く見積もられます。
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