外部空間と繋がる家

2015.09.25掲載

T様(東京都板橋区)

新築

ハウスメーカーの展示場を回りながらも、建設地が抱える問題を解決してくれるのは建築家しかいないと思われたTさんは、2003年9月にザ・ハウスに来店されました。

建築家・塚田眞樹子さんは、Tさんご家族とバラ園で過ごした時に、「日々外の空気や草花と接することができる生活スタイルが向いている」と感じ、都市住宅でありながら、いかにして自然を感じさせる住まいにするか、ということに重点をおき設計しました。

四季の移ろいや一日の太陽の動き、雨の日には雨の音などを家の中に居ながら楽しむことができる、という開放感あふれる家は2006年1月に完成。「実際に生活してみて想像以上でした」、とおっしゃるTさんにお話を伺いました。

家を建てようと思った経緯は?

当初は、子供が小学校に入るまでに建てたいという漠然とした思いだったのですが、税制や銀行金利を調べていくうちに、今が建て時だなと思い家づくりを決心しました。

当初から建築家に依頼しようとお考えだったのですか?

最初は、ハウスメーカーなどの展示場を見学していたのですが、どの家も私たちのイメージに訴えかけてくるものはありませんでした。

家族と話しながらイメージを具体化していったところ、以下の問題点があることが分かりました。

・ハウスメーカーの展示場は、どこも広い土地にゆったり建てているため、私たちの建設地(狭小地)には向かない。
・将来、両親との同居を考えていたが、両親と私たちの居住スペースに対する要望(イメージ)が異なっている。
・私たちの建設地には、耐火建築物(RC造もしくはS造)しか建てられない。

考えた挙句、これらの問題を解決してくれるのは建築家しかいないと思い、建築家を探すことにしました。

建築家・塚田眞樹子さんにはどんなご希望をお伝えされたのですか?

私は、「プライバシーを守りながらも、狭い土地に建てるため、なるべく開放的にしてほしい」、妻は、「ステンレス調のアイランドキッチンがほしい」、両親は、「土間から直接出入りができ、ホテルの一室のような部屋にしてほしい」などの希望をお伝えしました。

あとの細かいところは、お任せするので塚田さんの感性を十分に発揮してください、とお願いしました。

実際に生活していかがでしょうか?

想像以上でした。始めに塚田さんからの提案(中庭というよりは、家の中まで外部を持ち込んだ空間)を受けた時は、正直戸惑いましたが・・・。

ただでさえ土地が狭いのですから、中庭をとると部屋が更に狭くなってしまうと思えたのです。しかし逆に、「外部まで部屋の一部として利用できる」という考え方をすると、これほど開放感のある家はないと思えるようになりました。


実際に生活してみると、四季の移ろいや一日の太陽の動き、雨の日には雨の音などを家の中に居ながら楽しむことができ、開放感あふれる家になりました。

ザ・ハウスを利用しての感想は?

建築家を探そうと決めてからは、インターネットや建築雑誌などをいろいろ調べましたが、どの視点で決めていいのか、それぞれの建築家の作品を見ているだけでは悩むことばかりでした。そんな時、ザ・ハウスさんのホームページが目に留まりました。

ザ・ハウスさんでは、建築家との仕事の進め方や注意点などを正しくレクチャーしてくださり、一般の人が抱いている建築家との家づくりに対する不安な点を取り除いてくれたように思います。その上で、私たちにどのような建築家があっているのか、的確にアドバイスしてもらえました。

これから建築家と家を建てる方に一言

とにかく、納得のいくまで、できる限りの時間をかけてみてください。
私たちは、建築家を探すのに1年、設計に1年、工事に1年と3年の月日をかけました。

でも、振り返ればとても充実した月日だったと思います。その分だけ、思い入れの深い、完成度の高い家ができると思います。
建築家との貴重な時間(体験)を、どうぞ楽しんでください。

はじめにTさんとお話しして、どんなことをお感じになりましたか?

ご両親も含めたご家族5人にお会いしました。

非常に明るくて仲の良いご家族。お話をしている途中から、ぜひこんなご家族の家を設計してみたいと思うようになりました。

ただ、小さな敷地での建築の経験がなかったことと、Tさんの設計への期待の大きさを知り、多少のプレッシャーも感じました。

具体的にはどのような形でご要望に応えていったのですか?

最初はご両親も同居ということで設計をスタートしましたが、途中からご両親はウィークエンドのみの使用ということになりました。

今思うととても良い選択だったと思います。敷地は小さくても、大らかでゆとりのある建築をつくることが可能になったからです。

ご両親には1階を、若いご夫婦家族には2階・3階を割当てました。1階は、ご両親のために接地性を生かして屋外を感じさせる場所に、2階・3階は、1階と気配でつながりながらも、ある程度独立させて空や都市景観を楽しむことができる場所にしました。

どちらの世帯も、都市住宅でありながら、いかにして自然を感じさせる住まいにするか、ということに重点をおきながら設計しました。

これは、最初にご両親が住んでいらっしゃるお宅に招待され、ご家族とそこのバラ園で一日を過ごした時に、日々外の空気や草花と接することができる生活スタイルが向いていると感じたからです。

このことは、将来1階でフラワーアレンジメントの教室を開きたいというご要望にも応えることができたと思っています。

Tさんとのお打合せはいかがでしたか?

いつも笑いが絶えない、楽しい打ち合わせでした。

これから建築家と家を建てる方に一言

どんなに大変な時でも、クライアントの理解があれば私たち建築家は頑張ることができると思っています。

私は、Tさんの言葉にどれだけ勇気づけられたか分かりません。皆さんも、時に建築家に励ましの言葉をかけてみてください。

本体価格

総工事費(税別)から、それぞれの敷地や建主の事情によって変動する解体工事、仮設工事、杭・地盤改良工事、引込工事、外構工事、冷暖房・空調工事、 その他建物本体に固定されていないものの工事を除いた金額。実際にかかる費用よりも坪当たり10~30万円ほど安く見積もられます。

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