前庭を持つ家
T様(神奈川県横浜市)
転勤を機に「家を建てる」と決めて土地を探し始めたTさん。
設計力のある工務店か、自由度の高い建築家を探してザ・ハウスに来店されたのは2011年9月のこと。依頼を受けたのは建築家・西田 司さん。
西田さんは周辺環境を読み解き、駐車場やアプローチの機能を持つ「前庭」と「家」と「街」との関係性に着目。「前庭」を持ち上げることで街と家との間に適度な距離が生まれ、プライバシーを確保しながら、室内の大きな窓を介して「街に開く住まい」を提案します。
「最初に提案されたデザインが本当に気に入って、ほぼ変わっていない」と話すTさん。
どのようなやり取りから今のお住まいが完成したのでしょうか。お話をお聞きしました。
家を建てようと思った経緯は?
以前から希望していた転勤が叶い、まずは土地探しからスタートしました。
マンションや建売住宅は考えておらず、初めから「家を建てる」というのが 夫婦共通の意見でした。
当初から建築家に依頼しようとお考えだったのですか?
ハウスメーカーは、設計と施工が同じというチェック体制が心配だったのと、使える建材や設備などに制限があり、デザインやプランも画一化されているイメージがありました。
そこで、デザインに力を入れていて設計力のある工務店か、自由で個性のある建築家にお願いしたいと思っていました。
建築家・西田 司さんにはどんなご希望を伝えたのですか?
当初は「必要な部屋数」と「特に外観を重視したモダンでおしゃれなデザインを」くらいしかお話しませんでした。 とにかく何もかも初めてのことばかりで何もわからなかったので「たたき台として早く何か提案して欲しい」思っていました。
約1か月後のプレゼンで初めてプランを提示されたものは、私ども素人が思いもつかない意表を突いた素晴らしいもので、事務所からの帰りの車内で「もう決まりだね」と喜び合った記憶があります。
その時のデザインが本当に気に入りましたので、そこからほとんど変わっていません。
何回か打合せを重ねる中では「こちらが決断しなければいけない場面」が発生します。
ですが、机上で図面だけ見ていても全体像は見えず「こういう風にしたい」とか「これが好き」とはなかなか伝えられませんでした。
すると、西田さんから「逆に“これだけは嫌だ”とか“これはしたくない”というものでもいいですよ」と言っていただき、そこからまた話が進んでいくこともありました。
西田さんは、一見「芸術家タイプの容姿」でお話しづらいような印象ですが、話していくとそんなところはみじんもなく、私ども素人の「パッとした思いつき」などにもニコニコと、決して否定せずに話を聞いてくれました。また、つぶやき程度のことも、次の提案にはちゃんと取り入れてくださっていて感激しました。
実際に生活していかがでしょうか?
日中はほとんどリビングで過ごします。
珪藻土の温かみのある壁に、3階からの光が差し込みます。
その光のまわっていく様子や、壁への当たり具合を眺めるのが大好きです。
ザ・ハウスを利用しての感想は?
マッチングというシステムは非常にありがたかったです。
「建築家といきなりコンタクトを取る」というのは非常に敷居が高いものです。
「いろいろな視点から建築家を選べて比べられる」というのは気が楽でした。
あと、これは要望ですが「建築家と家を建てる場合のお金の流れ」の説明が、はじめにしっかりあると良いと思います。
これから建築家と家を建てる方に一言
知識や要望はたくさんあればあるほど、良い家づくりに近づきます。
2度も3度も建てられる人は稀なので、そのときには大変でも、できるだけ見聞きし、勉強して家づくりに参加した方が良いです。
データ
- 建設地
- 神奈川県横浜市
- 竣工日
- 2013年3月
- 設計
- 西田 司
- 施工会社
- (株)アイガー産業
- 構造
- 木造
- 敷地面積
- 127.47平米(38.6坪)
- 生活スタイル
- 単世帯住宅
- 撮影
- 鳥村鋼一
- 種類
- 新築
本体価格
総工事費(税別)から、それぞれの敷地や建主の事情によって変動する解体工事、仮設工事、杭・地盤改良工事、引込工事、外構工事、冷暖房・空調工事、 その他建物本体に固定されていないものの工事を除いた金額。実際にかかる費用よりも坪当たり10~30万円ほど安く見積もられます。
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