東京都江東区K邸
K様(東京都江東区)
マンションでの生活に馴染めず、一戸建ての住宅を手に入れたいと敷地面積16坪で車4台分の駐車場だった土地を購入されたKさんは、2002年3月ザ・ハウスに来店されました。
建築家・佐藤光彦さんは、軟弱な地盤での計画に対し、もともとの駐車場の舗装はそのままに、地中40メートルの地盤がしっかりした岩盤まで杭を4箇所打ち、その杭を家の柱として兼用するという構造を提案。
工期の短縮やコストの削減両方を実現させた住宅を設計し、この住宅は2004年1月に完成しました。
信頼する建築家の提案により、期待通りの住み心地の良い快適な家になったとおっしゃるKさんにお話しを伺います。
家を建てようと思った経緯は?
住んでいた賃貸住宅の家主さんの態度があまりにも宜しくなかったのと、そこでの暮らしが職場と住まいが近すぎて気持ちの切り替えができないという感じがあり、もっと落ち着いた生活を送りたいと考えていました。また、ちょっと大きめの犬が飼いたいという希望もあったので、一戸建ての家を持ちたいとの思いが強くなりました。
結婚する前は実家も一軒家でしたし、マンションでの生活に慣れていなかったため、一生マンション暮らしというのは考えただけで憂鬱でした。
マンションでの暮らしは、私達には合わないライフスタイルだったのでしょうね。
当初から建築家に依頼しようとお考えだったのですか?
毎日の生活の中で、自分たちの想いがなんとなく膨らんで来たという感じがありました。
当初は、平屋の戸建てというフラットな居住スペースが欲しかったのですが、都内で十分な広さを取ろうと思ったら、なかなか一戸建てで平屋の住宅は持てない。
土地から所有して建てることに対しての予算的な不安感もあり、手軽な分譲マンションの検討をしました。
しかし、家を建てたいと思うに至った今までの住まいへの不満を考え、結局一戸建てのための土地探しへ戻りました。依頼先はハウスメーカーも検討しましたが、広い土地が手に入るならならまだしも、限られた土地に建てるにはいろいろ条件も厳しかったんです。更に、なぜだかメーカーの住宅はフチ(特にサッシ周りや浴室)ばっかりが目につくんですよ。正直言って趣味じゃなかった。
「フチ」のない家に住みたかったのです。
そんな時、偶然にザ・ハウスの存在を知り、相談に行きました。
もともと家は“建てる”もので“買う”ものではないと考えていたので、ザ・ハウスのサービス利用を考えたんです。
土地についても、ザ・ハウスの不動産コンサルタントの方のバックアップを受けて取得しました。
取得した土地は広さが限られていたので、なかなか普通には家が建ち難いことから、高い知識や意識を持った専門家に相談をすることは、パフォーマンスの高い解決が図れるのではないかと期待もしていました。
結果、建築家の佐藤さんと出会うことが出来ました。
建築家・佐藤光彦さんにはどんなご希望をお伝えされたのですか?
土地の予算が膨らみ、建物に費やせる金額に制約が出てしまったことから、
・最低限必要な居住機能(食う・寝る・寛ぐ等)
・安心して長く住むことができる構造
・敷地条件から眺望は期待できないものの、明るく出来るだけ広く感じることが出来る空間
・フロアー内での段差がない(特に「跨ぐ」部分がないこと)
・駐車場
などお願いしました。
しかし、その他ディテールについてはかなり“お任せ”でしたね。
実際に生活していかがでしょうか?
“我が家”は快適ですよ。まだ、4ヶ月弱ですけど。今までの時間、これからの時間、この家に関わっていける喜びを実感しています。
住まい方については、継続して佐藤さんに相談していきたいと思っています。その都度、修正や追加できるところばかりなので、家としての「ハコ」はこれでいいと思います。
我が家の工法は地盤の弱さを克服するために、地下40メートルまで杭が延びていますが、もちろん、住んでいて違和感はないですね。時々、この柱が杭として地下40メートルまでも続いているんだと考えたりもしますが・・・。
ザ・ハウスを利用しての感想は?
お付き合いは、既に2年半ぐらい経ちますでしょうか?様々な“出会い”を提供して戴きました。我々も個人的に色々とあった時期でしたが、土地を見つけて、自分たちの居住空間を手に入れることが出来たことは、これからの人生において画期的な転換となりました。
ザ・ハウスは「インターネットで・・・」というイメージがあるかもしれませんが、それは単なるきっかけで、ザ・ハウスで色々な方と直接顔を合わせて打合せをするのはとても楽しく、そして大事だったと思います。家が出来てしまったので伺えないことが残念なくらいです。
自分達の力だけでは、ここまで築き上げることは出来なかったのではないかと思います。
あらゆるサポートに感謝しております。
これから建築家と家を建てる方に一言
自身の生きるスタイルの中で、“住まう”というこだわりの一つが『住宅』なのではないでしょうか?建築家の力を借りて、自分たちのこだわりを形にすることは一つの表現手段だと思います。
建築家との家づくりはどちらかというと「オン」より「オフ」を楽しめるような方、そしてきちんと生活の切り替えをしたい方にお奨めです。
それから、家族全員が建築家と家を建てるという「遊びの部分」を、受け止める余裕があるといいのではないのでしょうか。チームワークも必要ですから、家族の仲がいいことも大切だと思います。
皆さんも是非、建築家と共に思い切り自己表現をしてみては如何でしょうか?
想像以上の成果が期待できると思いますよ。
はじめにKさんとお話ししてどんなことをお感じになりましたか?
最初にお会いしたときのイメージは・・・まじめそうな方だなぁ、という第一印象だった気がします。
その後、敷地を一緒に見に行って、その土地を選ばれた理由などをお聞きしたりするうちに、穏やかな中にも明確な意志があるお二人だと感じるようになりました。
敷地周辺は、下町の情緒も残りなかなか良い雰囲気ではあるのですが、なにしろ江戸時代から埋め立てが始まった地域で折り紙付きの軟弱地盤であり、更に近年まで床上浸水などの被害もあったらしい、ということが気がかりでした。
具体的にはどのような形でご要望に応えていったのですか?
頼りない地面から建物を切り離しつつ、豊かな内部空間をつくりたいと考えたのですが、そのためには40メートル近く杭を打たなければならず、予算オーバー となってしまうという難題にぶつかりました。
これに対して(具体的な説明は長くなるので省きますが)は、「画期的な」構造工法により、コストを抑えながらもこのような住空間を実現することが可能になりました。
Kさんとのお打ち合わせはいかがでしたか?
最初にお会いしたときは、「明るく快適なこと」といった抽象的なご要望だったのですが、打合せを続けるうちに、どうしても譲れない部分、必要なことが はっきりしてきました。
それらをフィードバックしながら、お互いの考えをゆっくりと確かめ合い理解し合うことが出来たと思います。
最終的には、この上なくシンプルなプランでありながらも、お二人のご要望を実現し、さらに構造的にも空間的にも新たな提案が出来たと考えています。
お引き渡しの時に「多くの時間を費やしてここまで辿り着けて、とても嬉しいけれど、これまでの作業が終わってしまうと思うとなんだか寂しい気もする」とおっしゃっていたのが印象に残っています。
これから建築家と家を建てる方に一言
これは一概には言えないので難しいですよね。
どうしても実現したいことと、建築家の提案にまかせる(期待する)部分とをはっきりさせておくことは大事だと思います。
それから氾濫する情報に振り回されすぎないこと。迷ったら、ザ・ハウスのマッチングコーディネータに相談するとよいと思います(笑)。
データ
- 建設地
- 東京都江東区
- 竣工日
- 2004年1月
- 設計
- 佐藤 光彦
- 施工会社
- 日祥工業株式会社
- 構造
- 鉄骨造
- 敷地面積
- 53.74平米(16.3坪)
- 生活スタイル
- 単世帯住宅
- 種類
- 新築
本体価格
総工事費(税別)から、それぞれの敷地や建主の事情によって変動する解体工事、仮設工事、杭・地盤改良工事、引込工事、外構工事、冷暖房・空調工事、 その他建物本体に固定されていないものの工事を除いた金額。実際にかかる費用よりも坪当たり10~30万円ほど安く見積もられます。
目的別に探す
メディア掲載情報