兵庫県宝塚市N邸
N様(兵庫県宝塚市)
これまでの生活から感じた事を「思い通りの家」という形にしてみたいと考えたNさん。
自分達の思いを汲み取って貰い、思いの詰まった家を建てるためには建築家に依頼するしかないと考え、2002年10月にザ・ハウスに来店されました。
建築家・猪股浩二+原 朱美さんは、周囲からの視線を気にせずに空や風を楽しみながら、落ち着いて寛げる空間を持った住宅を設計し、この住宅は2003年12月に完成しました。
時間を豊かにする「住まい」を手に入れたかったとおっしゃるNさんにお話を伺います。
家を建てようと思った経緯は?
結果としてコストに大きな違いがないのなら、自分達の時間を少しでも豊かにするモノを選んで使いたいという思考を持っていました。営みの基本である「住む」というに事についても、その想いは同じです。いや、営みの基本であるからこそ、更にその想いを強く持っていたのだと思います。幸いにしてある程度資金の目処も立ったので、思いきって決断したという次第です。
当初から建築家に依頼しようとお考えだったのですか?
そうですね、最初から。
これまで自分達が生活する上で日々感じた事や想いを、なるべく白紙に近い状態から「家」として具現化したいという希望がありました。
多分に偏見もあるかと思いますが、そのような抽象的な希望をどこまで汲み取って貰えるかという事に疑問があったので、最初からハウスメーカーに依頼する事は考えていませんでした。
建築家・猪股浩二+原 朱美さんにはどんなご希望をお伝えされたのですか?
やはり最初は、予算やどんな荷物を持っているか等の具体的な事をお伝えしました。ここを外しては話になりません。ただし、持っていく荷物については、これから本当に必要とする物なのかという事をよく検討しましたね。結果として希望したのは、車2台(うち1台は建物内に)の駐車スペースと、趣味のキャンプ道具を置く場所、それから容量の大きい本棚です。
あとは、現在の生活の様子に関する話に絡めながら、やや抽象的な要望を伝えていきました。
例えば「落ち着いて本が読める空間が欲しい」とか、「雨宿りみたいな雰囲気で佇めるデッキがあれば嬉しい」とか。物理的に譲れない条件は別として、あまり具体的な縛りを設けないよう注意しながらイメージとしての希望を全てお伝えし、設計を進めて頂くようにしました。イメージは積極的に伝えていったと(自分達では)思っています。
実際に生活していかがでしょうか?
満足しています。と一言で終わらせるのは、勿体ないくらい。
日々、満足度も愛着も深まってゆく気がします。
ザ・ハウスを利用しての感想は?
担当の方から、的確なアドバイスや一人一人の建築家の特徴をお聞きして、その時初めて今回の家づくりが具体的にスタートしたと言っても過言ではありません。おかげで本当に楽しみながら順調に計画を進める事が出来ました。
これから建築家と家を建てる方に一言
ザ・ハウスに建築家探しを手伝ってもらったら、その先は建築家の方を信頼して、具体的・抽象的の区別なく、希望は全て伝える事が大事だと思います。自分の趣味や好きな映画、本の話題といった雑談のような事柄を積極的に話してみるのもお勧めします。一通り希望を伝えたら納得がいくまで話し合い、出てきた疑問はその都度、遠慮なく確認して理解を深めることが大切なのだと思います。
話し合いの段階で出した要望については、優先順位を明確にする事も計画を整理していくのは大事です。その為には、今までの自分達の生活をよく振り返り、守っていきたい点、改善したい点を振り返る事が効果的だと思います。
そして、何より建築家の方との家づくりを一緒に楽しんで下さい。
本当に必要な条件が充たされるなら、建築家からの興味ある提案、面白そうな提案については、積極的に乗せられてみると満足のいく家が出来ると思います。
はじめにNさんとお話しして、どんなことをお感じになりましたか?
Nさん御夫婦は家をつくるにあたって、ご要望とどのように暮らしたいかが、とてもはっきりしていました。
・ビルトインの駐車スペース
・カヌーなどのアウトドアグッズの収納スペース
・図書館のようなスペース(将来は子供室に対応)
・将来的に御両親との同居を想定し、増築可能な動線や建物の配置を確保すること
・週末に薪ストーブに火を入れてホッと落ち着ける場所と、雨の日にボーっと出来る屋根付のテラス
我々もキャンプやアウトドアが大好きですので、同じ趣味を生かして新しい提案が出来ればと思いました。
具体的にはどのようにご要望に応えていったのですか?
御夫婦ともお仕事があり、帰宅してからは、ほとんどをリビングルームで過ごされます。
周囲からの視線を気にせず、ゆっくり寛げるように2階にリビングルームとテラスを設けました。リビングルームはNさんのライフスタイルが床座の生活の為、視線の気にならない高さに横長の窓を設け、テラスは、南側の壁の一部を大きく切り取ることで光や風の通る、プライベートなスペースとしました。フリースペース(図書館のようなスペース)からは、この大きく切り取られた開口から空だけが見えるようにしました。ここは、駐車スペースの上に配置されており、リビングルームやテラスより一段下がった形になっているため、天井高はあるものの、落ち着きのある特別な場所となりました。将来的にロフトとして床を増やすことが可能となるよう、梁を入れてあります。それは孤立した子供部屋ではなく、成長に合わせて使い方を変えていけるようにするためです。
Nさんとのお打ち合わせはいかがでしたか?
まず計画をする前に、我々の自宅とアトリエに来て頂き、我々の目指す家づくりがどういうものかを実際に確認して頂きました。我々の考えに非常に賛同して頂けたので、その後の打合せも、とてもスムーズになったと思います。
これから建築家と家を建てる方に一言
我々が家を提案するにあたって、建主の方がこれからどのような暮しがしたいのか、どんな空間を求めているのかが、とても大切になります。
「週末に薪ストーブに火を入れて、ホット落ち着ける場所」「キャンプに行って、雨に降られて、東屋やテントからボーっと雨を見ているのが好き」こんなNさん御夫婦の一声に動かされて、2階の空間が生まれたのだと思います。
建築家は、建主の方からのそんな一声をとても楽しみにしています。
データ
- 建設地
- 兵庫県宝塚市
- 竣工日
- 2003年12月
- 設計
- 猪股浩二+原朱美
- 施工会社
- (株)橙工務店
- 構造
- 木造
- 敷地面積
- 217.78平米(65.9坪)
- 生活スタイル
- 単世帯住宅
- 撮影
- 福沢昭嘉
- 種類
- 新築
本体価格
総工事費(税別)から、それぞれの敷地や建主の事情によって変動する解体工事、仮設工事、杭・地盤改良工事、引込工事、外構工事、冷暖房・空調工事、 その他建物本体に固定されていないものの工事を除いた金額。実際にかかる費用よりも坪当たり10~30万円ほど安く見積もられます。
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