東京都目黒区Y邸

2015.09.25掲載

Y様(東京都目黒区)

新築

Yさんは「時間が経っても古さを感じさせない、高い付加価値を持った賃貸併用住宅を」と、2001年5月にザ・ハウスに来店されました。そして2003年3月、建築家・椎名英三さんの設計による住宅が完成。

枝垂桜が映える淡いピンクの外観を持った住宅は「RCCN」(レジデンシャルコクーン)と名付けられ、通りのシンボル的な建築となっています。そんなお住まいに暮らしてみて、「人生観が変わった」と言うYさんにお話しを伺います。

家を建てようと思った経緯は?

もともと土地は所有していましたので、私の場合は「土地の資産運用」と「自宅の建て替え」を同時にしたという感じです。

自宅だけではなく、賃貸住宅としての価値を高めることが、私自身の満足にも、そして効率の良い資産運用にも繋がって、最終的な目的を達することができるのではないかと考えました。

今、私の廻りを見渡してみても、賃貸住宅経営は決して楽な環境にあるとは言えません。そんなことを考えると、賃貸住宅としての競争力を高めるには、やはり建築家の手による高い付加価値を備えていることが必要でした。

当初から建築家に依頼しようとお考えだったのですか?

住宅メーカーの賃貸住宅もたくさん見ましたが、色々な情報収集を私なりに進めた結果、建築家に依頼しようと考えました。
住宅メーカーのように、大量生産された高性能なモノが悪いとは思いませんが、私が今回の計画に求めたモノは、それとは方向性の違う価値、「唯一無二の逸品」としての存在でした。

建築家・椎名英三さんにはどんなご希望をお伝えされたのですか?

生活に関わる背景も含めて、私の生活スタイルの中で必要な要素を箇条書きにしてお伝えしました。この時に気を付けたことは、椎名さんのアイディアを必要以上に規定してしまうような、物理的過ぎる希望の伝え方をしないことでした。例えば、「12畳のLDKが欲しい」ではなくて、「家族団らんの場所は欲しい」というように『希望の本質』を抽出するような形で伝えるようにしました。

それから先は椎名さんにお任せしました。最初から逐一私が物事を決めてかかってしまっては、建築家に依頼した意味がなくなってしまいますから。せっかくお金を払って建築家に設計を依頼するのに、その才能を発揮してもらわなかったらもったいないじゃないですか。そうしたやり取りの上で、提案してもらったプランに対していくつか注文は出させてもらいました。
賃貸部分の方は、賃貸経営上必要な一戸あたりの面積と予算以外は制約を設けずに、極力椎名さんに腕を揮ってもらえるようにしました。

実際に生活していかがでしょうか?

人生観が変わりました。
『デザイン』というものは大切なものだと思いました。このような豊かな住宅を持つ歓びを得ることができました。

そして、心の支えが1つ増えました。賃貸部分に関しては、特にクリエイティブな仕事をされていらっしゃる方々から高い評価をいただき、完成を待たずに満室になりました。実は私自身も、賃貸部分に一度住んでみたいと思っているくらいです。

ザ・ハウスを利用しての感想は?

建築家にめぐり合い、設計を依頼し、工務店を選び、家を建てる…。資金調達についてもそうでしたが、家を建てるために必要な一連の作業を進めていく中で、とても有効な機能を提供してくれました。非常に価値の高い企業だと思います。

これから建築家と家を建てる方に一言

素人が、テレビや雑誌などの情報や宣伝文句に影響を受けてしまう気持ちは私も分かるのですが…。でも、こうした情報から掻い摘んだ中途半端な知識のために、逆に建築家という「専門家」を雇っている意味を台無しにしてしまわないようにすることが重要かと思います。
建築家との相性が合う、合わないということもあるでしょう。辛くなることもたまにあります。でも、チャンスさえあれば、私はもう一度やりたいと思っています。

はじめにYさんとお話しして、どんなことをお感じになりましたか?

「この方とならいい家が建つだろうな」と感じたのが第一印象です。
「雑誌に載っている様な家を建てたいのであれば、建築家ではない方がいい」、「自分が期待する以上のものを創るのが建築家だと思う」、そうしたYさんの言葉から、ちゃんと私を理解した上で依頼してくれていることが分かりました。「YES、大丈夫!もちろん期待を超えるものを創ります」と応えました。

具体的にはどのような形でご要望に応えていったのですか?

Yさんから特に要望としてあったのは、賃貸部分の面積と戸数についてでした。減税措置のこともあって、賃貸部分は40平米以上の住戸を5戸にするというのが条件だったんです。

最初の提案は収支があわず、一から案を練り直しました。そしてコストバランスを考えるとメゾネットの長屋形式が良いだろうということになり、最終的にはこの案で計画を進めることになりました。

内部はメンテナンスが楽なようにコンクリート打ち放しにして、入居者が変わる度に壁紙や塗装のやり直しをする必要がないようにしました。また、限られた空間でも拡がりを感じることができるよう、間仕切り建具をフルオープンにすると水周りと寝室が一体となる提案をしました。

外観はベンガラという赤色顔料とモルタルを混ぜた淡いピンク色の色モルタルを塗り、道路面には同じ色の枝垂桜を植えました。きっと桜の花が咲いたらなんとも言えない風景になるでしょう。淡いピンクの衣装をまとった建築が、道行く人々の頬をあたたかく染め、それでいて周りの空気が凛とするような世界を創り出してくれることを期待しています。

Yさんとのお打合せはいかがでしたか?

Yさんが忙しかったこともあって、常に2人の間をメールが飛び交っているような状況でした。Yさんとは、細部にわたって計画を練り上げることができたのではないかと思っています。

これから建築家と家を建てる方に一言

「家づくり」は夢・希望・願望が大切です。
それを叶えることができるであろう建築家を探すことが大事ですね。もちろん信頼できるというのは基本ですが、自分の想像を超えるものを創れる建築家に依頼することが大切なのではないでしょうか。

本体価格

総工事費(税別)から、それぞれの敷地や建主の事情によって変動する解体工事、仮設工事、杭・地盤改良工事、引込工事、外構工事、冷暖房・空調工事、 その他建物本体に固定されていないものの工事を除いた金額。実際にかかる費用よりも坪当たり10~30万円ほど安く見積もられます。

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