いい距離感が体現された家
M様(東京都世田谷区)
スクラップ&ビルドに抵抗感があり、当初は海外のように今ある建物を大切に住み継ぐ改修を検討したMさん。世帯数、構造や法規の点からやむなく建て替えに切り替えた二世帯住宅プロジェクト。暮らしていて感じることは、どこにいても絶妙な良い距離感を確保できること。建築家・蘆田暢人さんのプロの技を日々感じるというMさんにお話を伺いました。
家を建てようと思った経緯は?
実家が古くなってきたこと、夫婦ともにそろそろ戸建に落ち着きたいと思い始めていたことから、実家の二世帯化を少しずつ意識し家族で会話する機会も増えていきました。
実家への愛着もあったので、当初は建て替えではなく改修して住み続けられたらと考えていました。
当初から建築家に依頼しようとお考えだったのですか?
当初はハウスメーカーと建築家のいずれによる改修も検討しました。
ハウスメーカーも選択肢に入れていた理由は、断熱などの性能品質を担保しつつコストを抑え、その分植栽やインテリアなどに予算を割り当てられると思っていたからです。結局、ハウスメーカーだと意匠面で満足できず、また建築家による改修も既存の構造上の制約が多いことがわかり、改修の選択肢を断念しました。
新築の建て替えへと仕切り直しになった段階で、ザ・ハウスさんから蘆田暢人さんをご紹介いただきました。
建築家・蘆田暢人さんにはどんなご希望を伝えたのですか?
限られた敷地面積に建てる二世帯住宅のため、世帯間で後々考え方などのずれが生じないようできるだけ細かく生活イメージを伝えました。特に、お互いの生活や音が気にならないようなレイアウトや構造上の工夫もお願いしました。
意匠面でも具体的な要望をお伝えしました。例えば、植栽を充実させて緑を感じられること、木を基調として古い家のような懐かしさのある雰囲気にして頂くこと、リビング等の共用部を充実させて寝室は最低限の面積や開口にすること等を要望しました。
実際に生活していかがでしょうか?
まず、親世帯との絶妙な関係性が確保できている点は本当にプロの技だと思います。
お互いに隔絶されながらも何となく生活状況がわかり、子供は自由に行き来したり等、 想像をはるかに超えて、良い関係が築けていると感じています。
また、重点を置いた共用部は、ロフトを設けて天井高を確保したことで面積以上の広がりを感じます。一方でスペースを抑えた寝室も、子供が独立した後は一体空間として夫婦で広く使える等、多くの点で要望以上のご提案をいただけたと感じています。
ザ・ハウスを利用しての感想は?
限られた敷地の中で二世帯7人が暮らすことになるので、意匠面に加えて具体的な解決策を必要としていました。その点でコミュニケーション力や課題解決力の高い蘆田さんに依頼できたことは幸運でした。
自身のニーズに合った建築家をマッチングしてくださるザ・ハウスさんの役割は想像以上に重要だと思います。
これから建築家と家を建てる方に一言
家は何度も建てるものではないので、100%満足のいく家を作ることは大変難しいです。
またそもそも、建てた瞬間が完成ではなく少しずつ手を加えていくというのが私の考えです。そのため「何を建てるか」よりも「誰と建てるか」「誰と完成させていくか」を重視して家づくりを検討されることをお勧めします。
データ
- 建設地
- 東京都世田谷区
- 竣工日
- 2022年04月
- 設計
- 蘆田暢人
- 施工会社
- 株式会社栄港建設
- 構造
- 木造
- 敷地面積
- 148.58平米(44.9坪)
- 施工床面積
- 180.88平米(54.7坪)
- 生活スタイル
- 二世帯住宅
- 撮影
- 中山保寛
- 種類
- 新築
本体価格
総工事費(税別)から、それぞれの敷地や建主の事情によって変動する解体工事、仮設工事、杭・地盤改良工事、引込工事、外構工事、冷暖房・空調工事、 その他建物本体に固定されていないものの工事を除いた金額。実際にかかる費用よりも坪当たり10~30万円ほど安く見積もられます。
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