東京都目黒区T邸

2015.09.25掲載

T様(東京都目黒区)

新築

お子様の通学通園に便利な処に土地を見付けた事から家づくりが始まったTさんは、お子様達の為の『健康的で安全な家』を望み2002年5月ザ・ハウスに来店。
建築家・栗原 守さんはTさんの土地取得の為のご苦労や家づくりへの想いを十分に受け止め、また自身に対しての設計への期待に十二分に応えるよう計画・提案していきました。合理性と自然さを併せ持った居心地の良いそのお住まいは2003年7月に完成。

住み始めてからすぐに「何年も住み慣れた家のような安堵感を感じた」というTさんにお話しを伺いました。

家を建てようと思った経緯は?

子供達の小学校と保育園のすぐ近くに売りに出ている土地を見つけて、なかなか得難い立地条件だったので、その土地の購入と家を建てることを決めました。

実際は、建売に近い形で売ろうとしていた建築条件付の土地だったので少し苦労しましたが、建築条件を外すことができ、今回の計画が可能となりました。

当初から建築家に依頼しようとお考えだったのですか?

家を建てる計画が具体的になる前から、遊びがてら住宅展示場には何度か足を運んでいましたが、ハウスメーカーの家は健康への配慮を謳っているものでも中に入ると目の痛みを感じるようなことが多く、安心した家づくりをする為に建築家の方に相談をしたいと考えていました。

建築家・栗原 守さんにはどんなご希望をお伝えされたのですか?

思い付くままに、たくさんの事をリストアップしてお願いしたのを記憶しています。

子供が三人いますので、先ずは健康的で安全な家であること。
健康的であることについては、『呼吸する住まい』を提唱している栗原さんにお任せする感じでしたが、安全については造り付けの収納の角を丸めて貰ったり、2階のベランダの手摺りを乗り越えにくい高さに調整して貰ったりと、建築中に現場を見ながらも希望を伝え、快く受けていただきました。

収納のスペースについても、単に「収納をたくさん」というのではなく、玄関に靴が溢れる、玄関周りに鞄や上着が出し放しになるといったような、これまで住んでいた借家で不都合だった点を具体的に挙げて相談しました。

共働きなので、家事を如何に効率的に出来るかも大切でした。洗濯物が多いので、洗濯機と衣類乾燥機、衣類の収納の為に脱衣所のスペースを広くとって貰いました。その他に男子便器も付いた広いトイレを1階と2階に設けて貰うなど、部屋数よりも日常の使い勝手を優先した間取りにしていただきました。

実際に生活していかがでしょうか?

入居して一ヶ月くらいの時から、既に何年も住み慣れた家のような安堵感と居心地の良さが感じられました。

気張った処のない『普通の家』が欲しいと考えていた私達夫婦にとっては大満足の家です。一生懸命設計していただいた家に『普通』と言っては失礼かもしれませんが、昔の家に有ったような無理のない合理性や自然さを持った居心地の良い家という意味です。

ザ・ハウスを利用しての感想は?

まず、どうやって家づくりを進めていけば良いのかという見通しを立てる上で、実務上、精神上の支えになっていただきました。建築条件を外す交渉を売主とする際にも助言をいただきました。いろいろな建築家の方のプロフィールや作品集を見ながら、自分達がどんな家を欲しいと感じているのかをイメージすることも出来ました。

これから建築家と家を建てる方に一言

自分達が生活をする為の家を建てるのであって、他の誰かの為の家(売る為の家、人に見せる家)を建てるのではないので、部屋数やリビングの大きさ広さといった処に囚われずに、必要なものを、必要な処に、必要なだけ配置することを建築家と詳しく相談するとよいと思います。現在住んでいる家での生活をベースに不便な点や嫌いな点、反対に気に入っていて新しい家でも失いたくない点などをリストアップしてみるとよいのではないでしょうか。当然ですが、家に合わせて生活するよりも、生活に合わせた家に住む方が楽です。

また、感覚や考え方が合う建築家を選んだのならば、その方が薦めるものについてはきっといいものがあるので、薦めをそのまま受け入れてみるのも面白いと思います。栗原さんお薦めの緑化屋根付きのカーポートは、夏も車内が涼しいという実用性と、家全体の自然志向のコンセプトを表わすというメッセージ性もあって気に入っています。

はじめにTさんとお話しして、どんなことをお感じになりましたか?

Tさんは三人の子供達の通学の関係で、それまでお住まいだった目黒区の地区の中で土地を捜していました。たまたま見つかった土地には建築条件が付いていて、面談をした時はまだその建築条件が外せるかどうか分からない状況でした。

Tさんはもし建築条件が外せなければその土地は諦めて、私に設計を依頼出来る土地が見つかるまで捜しますということでした。

Tさんは私の手掛けた今までの施工例等もかなり以前のものまでよくご存知で、話をしている内にTさんの家づくりへの想いが伝わって来たのを憶えています。その後不動産屋との交渉で、建築条件を外して私に設計依頼していただきました。私としてはとても嬉しかったのですが、そのTさんの交渉努力を無駄にしない為にもTさんにとって良い住まいを造らなければ.…と心から思いました。

具体的にはどのような形でご要望に応えていったのですか?

Tさんは、
・子供達がのびのび暮らせるような家
・物が散らからない家
・風が通り抜ける家
・家の前にある桜が借景になるような明るい家
・駐車場から雨に濡れないで玄関にアプローチ出来る家
そして何より私の設計テーマでもある自然素材を使って健康に配慮した家を希望されていました。

具体的には1階リビングの南側にデッキテラスの中庭を計画、駐車場の屋根は緑化してその緑化屋根越しに隣地の桜が見えるようにしました。
子供達のベビーカーや雨用コート、たくさんの靴などは玄関内にシューズクロークとウォークインクローゼットを配置して、此処で外からの物を置いて家の中に入れるようにしてあります。この方法はとても好評だったので、最近の住まいではよく応用して設計に採り入れています。

奥様の家事の負担を少なくというご希望には、キッチン~洗面脱衣室~浴室と回遊出来るように水場の諸室をレイアウトしています。キッチンはリビングを見ながらその先の中庭、緑化屋根、隣地の桜と視線が抜けるようになっていますので台所仕事も明るく快適になっているのではないかと思います。
玄関ポーチや中庭周りは、カナダ杉を張った木の塀にして視線を遮りながら通風を確保するようにしています。

Tさんとのお打合せはいかがでしたか?

最初に提案した中庭と緑化屋根の有るプランをとても気に入ってくれました。
その案をベースにしながら細かい打合せを進めて行きました。

設計中はご家族五人で事務所に来ていただいて、造り付け家具の細部や大工工事の造り付けのキッチンなど打合せを繰り返しました。工事中は確認の意味もあり、出来るだけ現場に来てもらうようにしましたが、設計の段階で細部まで打合せをしていましたので現場が始まってからの変更はほとんどありませんでした。

現在は入居後一年を経過していますが、子供達はデッキを張った中庭などを有効に使ってのびのびと遊んでくれています。

これから建築家と家を建てる方に一言

何千万円という一生で一番大きなお金を使って建てる住まいです。設計に最低でも半年くらいの時間を掛けて建築家と共にじっくり計画を練って下さい。
そして設計から工事の一年間近くを、建築家と一緒に住まいづくりを楽しむようにして下さい。建築主、工務店、建築家、関わった皆さんが笑顔で竣工の日を迎えられるのが何よりです。

本体価格

総工事費(税別)から、それぞれの敷地や建主の事情によって変動する解体工事、仮設工事、杭・地盤改良工事、引込工事、外構工事、冷暖房・空調工事、 その他建物本体に固定されていないものの工事を除いた金額。実際にかかる費用よりも坪当たり10~30万円ほど安く見積もられます。

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