四季を楽しむガレージハウス
T様(埼玉県さいたま市)
「気持ちいい」と思う感性の似ている建築家との家づくりを望んでいたTさんは、2003年5月ザ・ハウスに来店。
好きな場所が『夏の木陰、冬の日溜まり』という建築家・落合雄二さん。この言葉が決定打となり、Tさんと落合さんとの家づくりがスタート。同じ想いの中でも互いの主張で、完成までには様々な攻防戦が繰り広げられましたが、Tさんは徹底的にぶつかり合うことも「家づくり」の過程として楽しみました。今ではそれが「いい思い出」となって感じるそのお住まいは、2004年12月完成。
この家は、通りすがりの人達の目に留まり、Tさんはよく声を掛けられるそうです。「木の温かみのある外観が、街行く人達に安心感を与えているのかな」とおっしゃるTさんにお話を伺いました。
家を建てようと思った経緯は?
第一に、趣味のオートバイを安全かつ快適に保管できる、ビルトインガレージが欲しかったこと。
第二に、税制面でかなり優遇される時期であったことや、主人の年齢が40歳を越えたので、ローンの返済期間を考えると今が潮時と判断しました。
当初、マンション購入を考えた時期もありましたが、経年後の資産価値の目減りや希望する形でのガレージの確保を考えると、一戸建ての方が自分達に合っていると思いました。
また、一戸建てというのは意外と維持に体力を使うので、まだ元気なうちに楽しんでおき、老後に資産価値の目減りの少ない土地を売って、管理の楽なマンションや施設に移るという選択が可能なことも有利であろうと思いました。
当初から建築家に依頼しようとお考えだったのですか?
建売やハウスメーカーは、ほとんど考えませんでした(展示場にも一度も行っていません)。何千万円もの借金をするのに、要らない物があって欲しい物がない家を買うつもりはありませんでしたから。
たまたま親しい友人が建築家で家を建て、そこがとても居心地がよかったので、建築家と建てる、ということに不安はありませんでした。
もちろん、メーカーに比べたら、施主が判断したり動かなければならない部分は多いとも聞かされましたが、どうせなら出来上がった家だけでなく、出来上がる過程をも楽しませて貰おうと思いました。(それも値段のうち?)
コスト的にも、メーカーのように広告や営業経費に費やされることなく、掛けた金額がそのまま家本体に反映される分、ずっと納得できると思います。
あとは限られた予算の中で、自由に部材を選べ、お金を掛ける部分と省く部分の、バランスを自分達の思う通りに出来るのが魅力でした。
建築家・落合雄二さんにはどんなご希望をお伝えされたのですか?
何を気持ちいいと思うかの感性が似ている建築家にお願いしようと思っていました。
一番の決め手は 落合さんがホームページに書かれていた『好きな場所:夏の木陰、冬の日溜まり。』というコメント。
その感覚を共有できるならば、家全体の方向性としては必ず満足できるものが、出来上がるだろうと思っていました。
家の構造やトータルイメージはお任せし、こちらから伝えた希望は、具体的な造作のことや使いたい部材のことだった気がします。
例えば「階段の踏み板で扇形は嫌い」とか「ガレージドアはコレで」とか…
最初のうちは、私達がガレージにかける情熱(?)が充分に伝わらず、「ガレージにそんなに予算を掛けるんですか?」と驚かれたことも。初回設計時、ガレージの窓にはガラスがなく、断熱材も入ってなかったのです。
落合さんにとっては、あくまでガレージは屋外空間だったんですね。
ガレージの広さも、出来るだけ広くしたい私達と、家とのバランスやコスト配分から小さくまとめたい落合さんと、打ち合わせの度に大きくなったり縮んだりと攻防戦を繰り広げたことも、いい思い出です(笑)
実際に生活していかがでしょうか?
とても気持ち良く生活しています。
良い意味で『夏はちょっと暑く、冬はちょっと寒い』です。と言っても不快な訳ではなく、暑い時は窓を開けて風を通し、冬の寒い日にはお鍋をしたりと、ちょっとした工夫で充分に快適に過ごせます。
それは、暑いから風が気持ちよくて、寒いからお鍋が美味しく感じるんですよね。
いつでも何も不便を感じない生活は、逆に幸せも感じ難くなるのかもしれません。
家本体としては、基礎や構造面をきちんと施工して貰っているので(実際の施工過程も全部見ています)、安心して生活しています。
庭に出ていると、街行く見知らぬ人から よく家を褒められるんですよ。
全然関係のない人達にお褒めいただけるのは、やはり嬉しいですね。この間、何故か下校途中の小学生からも『この家いいオウチね~』と、褒められました。
特に、華美でも奇をてらった訳でもないと思いますが、このあたりは落合さんのデザイン力のおかげで、木の温かみのある外観が、どこか人に安心感を与えているのかなと思っています。
ザ・ハウスを利用しての感想は?
数ある建築家紹介システムの中から、ザ・ハウスを選んだのは、
・登録建築家の数を限定しているところ(一定の実績のある建築家に限られている)
・施主と建築家との中間的なスタンスを取っている
・料金が掛からない と、いうことがポイントになりました。
まずはザ・ハウスのホームページから、建築家ナビをした上で来店しました。
特にお目当ての建築家がいた訳ではないのですが、コーディネータと話しをしているうちに、テスト結果で出た建築家以外の方を数人推薦されました。
実際に名を伏せて作品ファイルから選んでも、残ったのは殆どがその推薦の方々でしたからコーディネート能力に、思わず「さすが!」と感心してしまいました。
直接的には聞きにくい建築家の性格とか、コスト管理能力(どんなによくても予算オーバーの設計をされても困ります)、仕事の進め方・スタイル、現在の仕事量(こちらの希望する時期までに完成できるか)等の情報を予めお聞きできたことも助かりました。
また、建築家が決まり、設計終了後も、今度は見積りを取った工務店の経営面の無料調査をしていただけましたので、安心して工務店選びもできました。
家づくりという、未知の長く険しい(?)道のりの中で、きちんと専門知識と経験に裏付けられた第三者からの意見というのは、非常に有難いものです。
直接設計には関係しない、家づくりに関する雑多な質問疑問についても、いつでも気軽に相談できるところがあるというのは、本当に心強いものでした。ありがとうございました。
これから建築家と家を建てる方に一言
造るのも、そこで何十年も生活をするのも自分達です。「建築家と建てる」と言っても、主体は自分達であることを忘れずに。
もちろんプロに頼むということでお任せする部分はありますが、自分達がこだわりたい部分や実際に毎日使う部分については、ある程度具体的に指定できる位の知識と準備をしておく方がいいと思います。
意見がぶつかることもありますが、ぶつかって出した結論というのは後悔にはなりません!
あとは、建築家だけではなく、工務店や大工さん、下職さん(電気・水道・左官・塗装など…)とも、よい関係を築く努力をすることも是非やってみてください。
いくら設計が良くても、取り付けや作業ひとつで、出来上がりの質が全然変わってきますよ!
仲良くなっていろいろ話をすると「全然見にも来ない、挨拶すらしない施主の現場は、やっぱり張り合いもなければ、喜びもない」とのことですから。
最後に、長い設計期間、施工期間に息切れしないよう、まずは楽しんでください。
面倒なことも細かいことも、沢山あるけれど、一生に何度もできる経験ではないですし、苦労した分だけ満足度も高いと思います。
せっかくの家づくり、楽しまなきゃ勿体無いです!
はじめにTさんとお話しして、どんなことをお感じになりましたか?
穏やかなご主人としっかり者の奥様という第一印象を受けました。
「風が抜け、ごろごろ昼寝が出来る、気持ちのいい場所がたくさんある家がいい」というお話しを聞き、私もそう思っているので、これはいい家が出来そうだとの予感がありました。
具体的にはどのような形でご要望に応えていったのですか?
これから開発が始まる地域なので、周囲の環境に影響されないように、縦格子を家の周りに巡らせて、周囲に開きながらもプライバシーが保てるようなデザインにしました。
内装は木や漆喰といった自然素材を使い、風通しのよい、気持ちのよい場所をたくさんつくっています。
お二人の共通の趣味でもある「オートバイ」の車庫の上をデッキテラスにして、ホームシアターにもなるリビングとつなげて、大らかな気持ちのよい空間が出来ました。
Tさんとのお打合せはいかがでしたか?
とても仲のよいご夫婦で、こちらの提案にもお二人でしっかり確認されながら進められたので、気持ちよく打ち合わせが進んでいきました。
特に奥様はとても勉強熱心で、現場が始まってからも、定例現場打ち合わせにも度々立ち会われたので、一緒に家を造っていくという実感を強く感じられたのではないかと思います。
おかげで監督や職人さんたちともすっかり仲良くなって、竣工パーティをして頂いたときには、職人さんたちに「ママ」とよばれているほどでした。
これから建築家と家を建てる方に一言
ご自分がいいなあ、と思う家を設計している何人かの建築家に会って話をし、ゆっくり考え、そしてたくさん寝て頭を冷やし、しばらく経ってそれでもその建築家に頼みたいと思ったら、それがご縁です。
あとはその建築家を信頼して、いい家をつくってください。
データ
- 建設地
- 埼玉県さいたま市
- 竣工日
- 2004年12月
- 設計
- 落合 雄二
- 施工会社
- (株)山崎工務店
- 構造
- 木造
- 敷地面積
- 195平米(59坪)
- 生活スタイル
- 単世帯住宅
- 種類
- 新築
本体価格
総工事費(税別)から、それぞれの敷地や建主の事情によって変動する解体工事、仮設工事、杭・地盤改良工事、引込工事、外構工事、冷暖房・空調工事、 その他建物本体に固定されていないものの工事を除いた金額。実際にかかる費用よりも坪当たり10~30万円ほど安く見積もられます。
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